武器とか

 シカ
 ギリシア・ローマの短剣の名前で、刃が「く」形に曲がり、握りが刃に対して直角に付いたもの。トラキアとかイリリアとかリグレス エトルリアびとが好んで用ひた。


ヘレニズム時代に入って、トラキア人、イリリアの兵士の横暴に関連してよく使はれる。そのままずるずるBC一世紀 ギリシャ人が見る「野蛮な行為をした蛮族の得物」といふ意味で、「シカ」といふ記述がみられる。(新紀元社刊 『武勲の刃』市川定春と怪兵隊)この辺は「とにかく毛唐が使ふ 湾曲した刀」の意で、シカ使ってなくてもシカらしい。

 

 で「シカ」と言ふ呼称はずんずん不名誉な方向で有名になって行き、新約聖書の使徒行伝で、パウロがしょっ引かれ、記述においてイエス様への罵倒がコピペされる変な栄誉も貰ひ、ちょっとギリシャ語を操ってやっとこ許された際の「四千人のシカリーを荒野へ連れ出したあのエジプト人ぢゃないンだな」使徒行傳21-38 と使はれる、このsikariiと呼ばれる、「ローマにカマ掘られた犬ども許さねえ」と言ってさういふユダヤ人、ローマびとをやっつけた過激派は、四千人で、(岩波書店 岩波訳新約聖書 には「sicaを使う者」の意でsikarii と書いてある)、全員ユダヤびとっぽいからエジプト人とか頂いてなかったらしいのは置いといて、sikarioiの皆さんはシカてふ「毛唐の得物」は使ってなささうなのだが、さう言はれる。

 

 ヘレーニス文化にも 内側に湾曲した刀 は ペルセウスが用ゐたハルパーとか、エジプトから来たらしいコピシュ(胡匕首 ですか)とかはあったらしいのだが、この辺は「文明人が使ふやつ」であり、なんか差別があったみたいなのである。

さういへば この作品はインド人が「内側に曲がった刀」で武装してゐた。

 呉智英氏によると「足音がぺタシペタシである」ださうであるが、ソレは最後まで読まないと出てこない