ネイションとネイティヴ

えー、たとえばスーパーマンは、さういふ訳でクリプトン星系移民の人で、クラーク・ケントと名乗ってゐるが本名はカル・エルで、アメリカと言ふお国のために頑張ってをられるわけである。別にアメリカ人と言ふネイション(民族 国でっち上げてます繋がりのくくり)を拵へるために日々やってゐるわけであるが、町山智浩氏によると、「クラーク・ケントというのはWASP系」で、1960年代に「ユダヤ系アメリカ人がそういう名を名乗った」歴史を想起させ、「クリプトン星から負け出るくだりは聖書のモーセとかと共通」し、「カル・エルという名はユダヤ系の神エル」であり、作者の関係がユダヤ系なので、あの人はユダヤ人だ、と言ふ説があるさうである。この説を紹介する際「彼は実はユダヤ人」が最初に来てしまって「日本人のナショナリズムを鼓舞した朝鮮人 力道山」とくっつけて、「アメリカ作ってる男」としてのカル・エルがどっか行ってるが、さういへば町山先生は「アメリカ人は国籍持ってる人が自身をNATIVEと言ってゐる」と言ふのを確か言ってなかったやうな…佐藤健志大先生は「お国のために働く男 クラーク・ケント」を主張してゐて、ナショナリズムにすぎない語りをやってゐる。歴史が浅い国だとかう言ふのが出るけどなぁ、ニニギノミコトが真床襲衾で簀巻きになって落っこちてから二千六百ん十年もある国は、うーん ネーション拵へるのはー、むりっつうか、えー、町山氏は「ほのぼの在日ドラマ」の不在を嘆き、民俗学者大月隆寛先生は「差別と在日は当たる」と説いた。で呉智英氏によると「じゃりン子チエ」は「ほのぼの特殊被差別民マンガ」ださうであるが、さう言ふわけで「子連れ狼系片親家庭ものメディア」は振るはず、シチュ的に「杉下右京警部殿のポジションに在日がゐる」刑事ものもなく、藝能界とかは「在日が土人化する」事態になった。