コロッケと蕎麦と食文化の方

今日ラジオ聴いてたら、FM長野の番組で、「関東だけで、蕎麦にコロッケが入ったものがある」とか言ってゐた。

押井守御大は、「じゃりン子チエ」のブタたまにあこがれて、さう言ふ「旨さうな食べ物」の表現を目指してアニメでの食べ物作ってきたさうである。その割に、押井御大の作品では、パトレイバーで、「崎宮ハヤオが経営する料理屋で、食中毒が起きる話」をやったりとか、赤い眼鏡で蕎麦に下剤が入って大変なことになるとか、さう言ふ描写ばっかである。確か「ケルベロス(俳優がただエビを黙々と食べるシーンがある)」のメーキングで、「当時スタッフ、キャストが食中毒になった」とか言ふのがあった。

 「鋼鉄の猟犬」(すげえ後發)のマキ・シュタウフェンベルクさんが喰ってるドイツの兵隊さんが喰ふ物の描写は、辛うじて旨さうである。てふか「ちゃんと美味しい修辞を散りばめる」と言ふ感じで、ASSAULT GIRLS(映画の方)は、「ヴァーチャルな世界で美味そうな食事をしてゐる人へツッコむ」シーンがある。おおさうぢゃ、「ミニパト」で、「癖はあるものの相当に美味」で、「無くなると暴動が起こる」くらゐの「ハゼの干物」があった。

 

 ほんで、普通負け犬が入る民俗学な話立喰師列伝を、功成り名を遂げてからやるわけであるが、その「立喰師」と呼ばれるアウトローな人のフィールドワークでは、ちゃんと柳田國男の「イタカおよびサンカ」が引用される。一応藝が細かくはある。で、何と言ふか、「ケツネコロッケのお銀」といふ押井守御大の持ちキャラが、蕎麦屋で「ケツネソバ」とコロッケを注文して、コロッケを汁へ浸す。で、これはあくまでゴトの延長で、ケツネコロッケのお銀がコロッケ入り蕎麦を作ったわけではないとかいふ。でもコロッケ蕎麦の分布地はケツネコロッケのお銀の荒らした場所と被るっぽいなぁ。

こちらは、「角川の雑誌スニーカーで、牛丼屋の予知野屋が襲撃される回が掲載された一年くらゐ後、牛丼屋がリアルに大変なことになった」やうにはいかないと思ふ。