ネポティズム

血縁主義 はなにしろDNAで保障されてゐるので、否定するにはよほどの根性がゐる。とてもややこしいことに、田舎、ご家族がゐる前で「家族とはだれのことか 兄弟とはだれを指して言うのか」と宣ひ、「神の御言を聴く為に集まったメンバーこそがわが家族であり母である」といひきったイエス・キリストと言ふおっさんは、ナザレの大工の嫁の私生児ってさんざんこいてるのにも拘らず、「ダビデの子孫 ヨセフの子」とか言はれる。DNAくっついてないぞ、てふかダヴィデとヨセフの系図がイミフで。

    • 特殊部隊 「紅の豚」 「宮崎駿の雑想ノート」では、イタリア人の「家族をデフォルトにした場合」如何に勤勉になるか、でこの一族がいかに多いか、が書かれる。ソレにより飛行艇が作られる。劇場版では「男が一人もいない」ピッコロおやじの夥しい親戚衆が集まる。

 

              なお「風立ちぬ」でも、イタリア人のカプローニが、飛行機へ大量の家族、製作スタッフの一族を乗せて飛ぶ、家族、血縁に肯定的な演出は見られる。宮崎駿的にはなんかさういふアレがあるらしい。でも両親&妹がそろひ、結婚までしてゐる主人公堀越は嫁との間に宮崎駿ボーイミーツガールフォーマットとしての「搭からの救出」がない。ていふかヒロインは自ら搭へ帰っていくでいい筈。岡田斗司夫説で、堀越の本命はお絹で、さう言ふわけですれ違ってしまふ点(しかもお絹坊 別の男と結婚するし)がある。多分暴力機構からの解放とその他へ折り合ひつける言訳で、「不気味な生き物」としての、ワーカホリックメガネ君な兄ちゃんが、兵器もできて家族も作れるリア充を目指さうとして娘さんとお付き合ひしたいと思ひつつのた打ち回る といふところでいいと思ふ。
        • 魔女の宅急便」アニメ版の方 いかに「暴力機構がウザったく ろくでもない物か」が滔々と描かれる。親に甘え、TVアニメにかじりつくガキ、血縁のお付き合ひをフォローするための贈り物に嘆息する孫 あとコキリさん(キキのママ)は、「自分の都合のいいように回りを仕切る」くそばばあってどっかの資料に書いて有ったぞ あんまりフラスコを繰り試験管へ術を施してリューマチの薬作るあのおばさんにさう言ふのは見れないけど。で、その子キキはお客さんの「暴力機構を補完するための消費財の生産」に加担し、キキ自身の「ネポティズムによる継承」を認められる。で、最後は「魔女やる」スタンスで自身の分際を捉へ直し、デッキブラシを操って魔法をかける。「千と千尋の神隠し」では、儀礼的な「この中に家族はいない」といふ台詞をいふシーンがあるが、魔女宅では家族制度の相対化は出ない。「自分の実力が前のいろいろから営々と築き上げられたものだと言うのを教える為」ださうであるが、あのー。

  • ドーラ一家 ドーラさんは魔女宅のコキリさんちの常連ばばあ、おいといて、ドーラさんは子煩悩で、息子を可愛がる上、タイガーモス号の乗組員だけで五十人、以上の子供を各所へ配置し、しかもご近所で子供が生まれると石炭半年分とか送るので、ドーラさんは「地元」の人に大変好まれ、さう言ふ土人から情報が勝手に入ってくる。

        • 御先祖様万々歳! 舌先三寸で、血縁の相対化があったりなかったり、DNAが、否定されたりされなかったり、ミチオ・カクの言ふ「生殖のタイムパラドックス」よりはましな さう言ふタイムパラドックスが展開し、家族が崩壊する。


監督の押井守さんは「 わたしが子どもだったころ イチ! 」といふNHKの番組で、21世紀初頭に自身の体形が「オヤジに似てきた」と語ったが、そこで再現された「学生運動やってたら詳細な経緯がばれてた」と言ふのをこちらでもやる。こちらはそれが「強力な親の連絡網」で判明したと描く。

ライフワークと言ふわけでないが、トワイライトQ [DVD]所収の「迷宮物件」で、登場する探偵がなんか押井さんとそっくりだとかなんとか。

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