さう言へば、新字新仮名は千九四十六年から使はれるやうになったわけだけれども、
一九四六年発行のこれで、古典のデフォルトと言ふか最小単位としてのかなづかひに関して折口先生はいろいろ言ってゐる。
あまり
「新かな使いは論理をずたずたにするものである こんなものはだめだ」
とかは言はないが、ヤンキー風の表記の予言のやうなものをやる。
ほんで、その辺にデビューした手塚治虫大先生は
「手塚治蟲(「てづかはるむし」のルビ)さんは、(読者の)みなさんよりちょっとお兄さんのクリクリ坊主で」
と、紹介文から正字正かなの文章で、中の、後にフォロワーをえらいこと抱へることになる、ナニも「ヨハムシ」と言ったやうな表現で、当時はまだ内地っつうか本土では「新仮名使い?なにそれ美味しいの?」であった資料でいいと思ふ。手塚ヲサムシ、当時から変態っちゃ変態だぜ。