社会性生物

 

によれば、リチャード・アレキサンダーと言ふ先生が、社会性生物について、「食べ物がいっぱいある処で「食糧貯蔵庫」を作る種が、倉庫番と子供育て個体ををなんらかの形で去勢して作ることになり、そういうのがワーカーに進化する」と言ふ仮説を立て、もし哺乳類で社会性動物がゐるとすれば、雨季と乾季が判れたサヴァンナで、根茎と言ふか塊茎といふか、地べたの下へ「お芋さん」拵へる植物がある地帯にゐて、そのイモ食ってるであらう、と発表した。で同時期に研究されてゐたハダカデバネズミがアレする。

 

  パキケファロサウルスの一種で、社会性生物が出る。社会性草食恐竜ゲシュタルトさんは第四期の氷河時代に発生したので、乏しい餌の獲得の効率化のため社会性へ進化した。恐竜=直立歩行の爬虫類説がデフォの頃に発表された作品なので、なんかそんな感じ

 

 ウズラ系でその可能性に行く。社会性鳥類スピンクさんはちゃんとお芋さんを喰ふ。ワーカーの去勢は鳥類なのでデバさんみたいにいちいちフェロモンを擦り付けなくていいらしい。

 スピンクの現存する近縁種に「モグラ」を挙げるが、モグラは社会性ではなく、肉食でスピンクさんは根食鳥類

 あと側社会性でも亜社会性でもない準社会性蜘蛛が出る。牧畜をやって、恐るべき蜘蛛海戦術で、一辺が五kmの超どでかいウェブをはり、遠くで見るとススキだけど近くで見るとどう見ても竹の実(たんぽぽの綿毛みたいな状態で毎年一回ぶわぁっと出る)を捕獲し、家畜へやる。明るい家族計画は「去勢」ではなく、家畜の妊娠した奴を喰って子造りの契機を得る。全然関係ないけどフューチャーイズワイルドのフィギュアがコンビニで売ってたのでその、シークレットと称するやつ買ったら、その家畜のネズミだった。ありがたいけど微妙。

 

 リアルシロアリの異常な行動を描く。ヤマトシロアリは、嫁が単為生殖で繁殖メスを合計六百匹も拵へるさうである。多分遺伝子を、損失補てんのやうな要領で作るらしい。

著者にヲタ気がないため、シロアリの卵に擬態したカビと、平行進化した別種を指して「ターマイトボール」「ターマイトボールZ」と「ドラゴンボールが流行ってたので」呼称。シロアリの繁殖についても建設雄を「碇ゲンドウ」繁殖建設メスを「碇ユイ」繁殖メスを「綾波レイ」ニンフを「碇シンジ」繁殖雌分身のダメになったやつ(損失補てんのやうなものなので、劣性遺伝の方へ回る遺伝子がない)をワーカーが殺すのを、「赤木リツコ行動」とかは言はない。