おたかさんありがとう

 

ワンダーライフ(と言ふオカルト雑誌が前小学館で出てゐた)ははまった。

 ほぼ同時期に呉智英氏の本にもはまってゐた筈であるが、当時小島露観と名乗ってゐたワンダーライフ主筆(ていふのかな)現ザイン帝國伯壬旭は、呉氏の言ふ「民主主義の否定」をしてゐた。つまり呉智英氏ののたまはくは役に立たなかったのである。当時の私にまうちょっと行動力があれば、

かう成ってゐた。私がまともっちゃまともな生活をしてゐるのはただ単に無精だったからに他ならない。で待ってゐたら

と言ふ本が出た。当時のザインと呼ばれてゐた教団で、小島露観@ザインと対を為す奥方の著書である。本著の中で、冒頭「土井たか子さんが衆議院議長に」とか言ってゐた。ここで、根拠もなく「この教団はだめだ」と思った。土井たか子さんがびっこのアヒル(レームダック)さんだと言ふ確証はなかったが、とにかく土井たか子さんが当時のポゥストを得たのを振り回すのがあほだと言ふ確信はあった。本書の刊行十ウンか月後、山本弘先生が同じワンダーライフのマンガ家である飛鳥昭雄先生のデータソースが末日聖徒イエス・キリスト教会の物であり飛鳥昭雄氏はモルモン教徒と公表してゐると言ってゐたが、こっちは目の前が真っ暗になっただけであった。でもこの本で宣言される、ザインが日本を足掛かりに世界の王になる年、壱九九五年一月一日は、期待はしてゐた。当時の辺はFMラジオを聴く習慣がついてゐたので、壱月壱日午前零時はラジオを聴いてゐた。因みに赤坂泰彦さんがやってるラジオ番組で、「ゴジラのテーマへある種気持ち悪い声の兄ちゃんが謎の歌詞つけたもの」といふ示唆的な、こっちの方があの一年を表すに相応しい曲が流れてゐた。真面目に情報を集めてゐるとザインは壱九九四年九月に東京で起きる地震に乗じてクーデタ興すと言ふのがあったのだが、それは普通に知らなかった。地震が起きたのでその混乱に乗じてクーデタをと言ふのは、論理的に、あのドラえもんののたまはく「いや、そのりくつはおかしい」である。

 ああ、私がまともな生活をしていられるの壱九九〇年ころサダム・フセインと他愛のない話をして湾岸戦争の原因を作るやうなびっこの家鴨さんであるおたかさんのおかげである。

土井たか子さんの魂よ安らかなれ(倒立した世界意識は彼女に対する冒涜かもしれないがこまけぇこたぁいいんだよ)