魔女っ考(いいんだおっさんだもん)

鬼灯の冷徹」の魔法老女 マジカルマリンは、カエルが嫌ひで笊に乗って空を飛ぶ、らしい。この辺は豊穣神に仕へる巫女のアレしたやつであるが、某キリスト教仏教などの聖なるブラザーを無視してゐる割に、魔法老女マジカルマリンは魔女狩り以降の迫害され弾圧され異端と言はれた方の、サタン(うわぁあああすいません)へ、生贄を與へる者である。

 あとがきと言ふかコラムでの、「魔女っ娘あるいは魔法少女に「エスパー魔美」は入るか微妙」と言ふ問題であるが、この作品のパイロット版である「赤毛のアン子」でのヒロイン、アン子は、母親がアメリカの移民で、田舎はちゃんと魔女ヒステリーで有名なエル・セイラムで、さらにその祖先はギリシャテッサリアで発生した魔女一族、といふ設定である。因みに父親は、ちゃんと絵本作家で、娘脱がすやうな人ではなかった。

 ムーンプリンセス妃弥子御大は、超能力、「スプーン曲げ」とかを「魔女っ娘の術と違う」とはっきり区別するのだが、柳田國男がおびただしく収集した、匙、柄杓、瓢に関する、「マナを集めるもの」としてのさういふの信仰[史料としての伝説 (1957年) ではマナ信仰は出てないのだが]の延長である「スプーン曲げ」説(呉智英浅羽通明関係がよく振り回してゐる)があるのだが、しかもかう言ふのの根拠っぽいところで、「巫女はんが祈祷する下へこっそり杓文字入れ」たバカタレがゐて、巫女さんの術が出ないので大変だったと言ふ話があり、なので「零落した魔女術」のやうなものとして、信仰体系全く違ふけどいいんぢゃなからうか。

 魔美たんの方であるが、術を発動させる契機だか触媒として、ハンドサインは無視するか、なんぞの投擲があるわけであるが、HITした弾丸を集めて鋳直して経文とか書いて携帯する「シャチダマ」とかサツヤ信仰とか、さういふ ああこっちもそれは外来魂そのものと言ふことになってゐる、中沢厚御大が収集した「超自然ななんかが纏はりつく」つぶて観があるからさう言ふ点から見ると彼女も魔女っ娘でも魔法少女でも、いいと思ふ。

 

 ホイミとかでアレだったけど、「阿毘達磨倶舎論孫悟空」て…

 

 ルネ・ヴァン・ダールワタナベ一門か娘オリジナルかは不明であるが、ムーンプリンセス妃弥子によれば魔女っ娘はヨガのやうなものを行ふ。から別にかう言ふのだって…