おいもさんヴィタール

唐沢なをき「チョロ恐」で、沖縄のぢょしだいせいが、「沖縄ではブタの幽霊が」とか言ってゐるのが大変アレであった。

 文書で出てゐるのでなくて囁かれてゐるらしい。へー。

どっちかっつうと「となりのトトロ」で、トトロの小さいのがサトイモと思はれるものを採り物に呪術を行ってゐるが、ああ言ふ豊穣儀礼はいいなぁとか。あっちでなくて、沖縄とかでは、イチジャマ(生邪魔 能動的に取り憑かせる生霊)とかに取り憑かれた場合、ウコンの根を用ゐて祓ふさうである。

 野蒜(「ののひる」って言ってくんないと僕わかんない)、大蒜(オホヒルと書いて「にんにく」と読む)がある種の魔除けであるといふのは有名であるが、 後お豆さん、さう言ふわけで、ヴァンパイアの人をやっつけるガーリックが有名なやうに、一応汎世界的に、生命力にあふれたものをスピリチュアルな物へ投げつけると消えると言ふナニがあるらしい。

 

 ぼー  水木しげる「世界はゲゲゲ」で、セノイの人が恐怖と共に継承するナニが、とても怖いのだが、アボリジニの伝承に登場する「ロルウイ」といふのが紹介されてゐる。 

その、ぢぢいより前で孫より後の頃、ヤムの人はその辺を走くり回ってゐたのだが、その聖なる独身者ロルウイの一喝により、リアルはさう言ふわけであると言ふ、「栽培植物」と言ふのを発見する以前のアボリジニが、なにがしかの契機で以て、お芋さん(ヤム)といふ謎のオーヴァーテクノロジーを得た際に、 どう言ふものかをテクスチュアルに調伏したもの、らしい。

 

 

アレだけどここへ書いとけ。  アボリジニさんは、アフリカのダオナンさん(諸星大二郎の漫画に出てくる黒人の狩人)のやうに、少ない荷物で何日も水とかがない豪州の大地をかけ続け、カンガルーとかを得る。若干男のロマン寄りらしいのだが、 でもお肉は偉大なので結構野郎は褒められる。そんなわけで荷物が少ないので、投槍器(ウーメラ)は、槍を投げる他「水を汲んで飲むスプーン」「持つところにフリントが括りつけられてゐるので火つけ用具」「そのフリントはナイフになってゐるので肉などを捌く」と言ふ機能を持つさうである。偉大だなぁ。

 

 そんでもって 中尾佐助「栽培植物となんたらかんたら」によれば、ディオスコレア・ブルビフェラは、お芋さんは苦くてしょぼいのだが、零余子が利用できるさうである。一万ん千年まえに品種改良されて現在の形になってどっかいく途中なので一応レリクト・クロップと呼ぶ。

 宇宙イモ のムカゴを紹介。