隕星あるいは星腐りまた、ちゃいろのぷにぷに

 ものすごくやる気がない。

 Wikipedia (英語版)で、スターゼリー「Star jelly」といふ記事がある。これは「星が隕ちたもの(で「ほしがおちたもの」と読む)」と説明されるぷにぷにしたもの らしい。

https://en.wikipedia.org/wiki/Star_jelly

 ものすごくやる気がない。

https://cy.wikipedia.org/wiki/Pwdre_s%C3%AAr

 カムライグ(ウェールズ語)版のWIKIでは「Pwder Sêr」(多分「プウドルサール」と読むはずのスコットランドゲール語の筈 ウェールズ語では「pydredd sêr」)

南方熊楠『虎に関する俚伝と迷信』(全集5巻p436~) で、「プウドル・サール」と呼ばれるなんぞは、マッケンニー・ヒュースが『Nature』誌で、ウェールズ スコットランドでは「星が隕ちると草の上に白い半透明の膠様の塊となってつく」と言はれ、テーロール、ドライデンが詩に詠み入れてゐる、とあるのだが、WIKIの記事にM・ヒュースのネイチャーの記事と、「Pwdre ser」と言ふ記述はある。ドライデンの詩の然るべきところが引かれてはゐる。

 WIKIの記事ではstarjellyについて「カエルか蟾蜍のスポーン」と言ふ記述はあるが、鳥の、糞でなくてVomit(吐いたもの)と言ふものがどうたらとある。M・ヒューム大先生は、1908年に星腐りを採取し、しかるべき筋で調べてもらったところバクテリアの塊であったと書いてゐるさうである。

 WIKIでは、 1950年、フィラデルフィアペンシルバニアで、警察屋さんが

「a domed disk of quivering jelly, 6 feet in diameter, one foot thick at the center and an inch or two near the edge". When they tried to pick it up, it dissolved into an "odorless, sticky scum」

と書いてゐるさうだと言ふのを引いてゐる。これは『ブロブ』と言ふ映画のネタ元になったらしい。へー。
『虎に関する~』にある、アメリカ 1819年8月アマーストで発見された、径8インチ、厚さ1インチで黄褐色の膠塊 凄く臭かったといふ『アメリカン・ジャーナルオヴサイエンス』(1820年)の寄稿がないぽい。

WIKIの記事には、ノストク藻がどうのと言はれるが、他、勿論 和歌山県んつうか紀州の田辺の高山寺の畑に毎夏夥しく生じる、ところてんを煮て落したやうな、ほとんど透明あるいは水に入れたら見えぬほど透明なやつ、再検して見ると、最初はメソテニウム(どう言ふものか不明)と呼ばれる鼓藻よりなるが、それが腐ると紅くなり、全体が褐色になる(南方熊楠全集第5巻p439) に関する記述はない。