死の前兆の。

 マンガ「鬼灯の冷徹」において、悪魔ベルゼバブは「アズキトギ」は本当に怖いか と問ひ、聴かれた主人公鬼灯は「どちらかと言へばDJの方が彼にあってゐる」と返してゐる。

 そのスジでは、アズキアライ 小豆研ぎは「チャタテムシ」と言ふ体長壱mmくらゐの昆虫が、障子を揺らして立てる音、と説明される。aサイズの割に音がでかい、b何処から音が出てるのかわからない所から、なんかものすごく怖がられ、子供を取っていく座頭が立てる音として捉へられたらしい、ザトウムシ(と言っても使徒マトリエルとは関係ありませんよ)とも言はれたさうである。

 

 南方熊楠は、チャタテムシの別名 シシ虫 が、三尸と関連するとして、いろいろ、三尸九虫とか、インド辺りではお供のおさるがどうとか、を書いてゐるが、「西洋のシシ虫即ちチャタテムシ」として「アトロポス・ジヴィナトリア」と言ふ「デスウォッチとも言はれる」昆虫を紹介してゐる。ああ、atropos divinatria(シバンムシ)とチャタテムシの関係をWikipediaで調べたら、情報が耳から漏れてしまった。

 

この辺は、まださう言ふわけでいいんだけど(俱生神は虫系の羽生えてる)

「鬼灯の冷徹」は、後にリアル人魚(ジュゴンとか)が食はれた といふ史実を抜き、その辺の人魚図像体系を開陳した如く、その辺(これをモデルに作りました的な)を無視してゐる。しかも「スカイフィッシュはゐない」らしい。