ワニ関係

 小谷野敦先生によると英語で「ワニ」に当たる語がない、さうであるが、

 三畳紀からジュラ紀にかけて、ワニ系の生き物がはびこり繁栄し栄へ結構出たさうで、なのでワニどころかワニのやうなものの語を出さないといけない、らしい。ので、

さう言ふのをクロコディロモルファ(crocodylomorpha) といふさうである。現生ワニはワニ型類 支那語のウィキでは「鰐形超目」と書いてあった)の一種のcrocodylÍforme ワニ形類)の端っこの隅っこの一部ださうである。

  土屋健『ジュラ紀の生物』

をっさんなので、えー、学問的に言ふと朱羅紀と呼ばれる時代の、初期、トアルシアン期の海中で、酸素がなくなって海洋生物が結構絶滅と言ふのに反応する。

みなみあふりかでせりざわはかせがもっこもっこりしてオキシジェンデストロイヤーをどばどば海中へ突っ込んだので、といふことらしい。ゴジラ、トアルシアン期から発見されてほしぃなぁ。でも確か淡水の水棲恐竜だしなぁ。

 赤いらしい作者によるファンタジー山本夏彦大先生の訳はそのまま。「昭和二十一年」再版の際も歴史的仮名遣。ルビが二十一世紀になってからなので、「なんじゅっせいき」などの表記になる。

 


年をとった鰐

 藤川隆男『妖獣バニヤップの歴史』

 これによれば、オーストラリアでは、ワニを指す一般名詞として「アリゲーター」が使はれる。ただオーストラリアンワニはクロコダイルである。過去形で言へたら いいなぁ。

古生物のアレ

 

 冒頭登場するオサムシ の、学名は、虫の西田おにいさんが関与はしてないはずだけど、命名者に珊瑚の携帯を連想させてしまふアレらしい。ラテン語を英語で読む手癖が付いた欧米では、さうするらしい。手元に資料がないので「AGRA CADABRA」しか出てこんが。

他の話に、ネタでアノマロカリスが出てゐる。全長十センチくらゐで淡水産であるが、

によると さう言ふサイズのアノマロカリスはゐたらしい。大自然てやだね。

 

 てふか、川崎先生によると歩くアノマロカリスのゐるんだか「デフォルトで歩いた」可能性があるさうである もっとやだ。さらにだ、最近の研究により、偶然かナニか、「あんた生物の時間に寝てただろ」的な知識のチャールズ ウォルコット大先生の硬すぎる頭で適当に考へたハルキゲニア像が正しいのが判ってもっといやだ。

日の下に新しい物なんて

「幽霊塔」いいんだけども、まあ。あの江戸川乱歩の作品の前の黒岩涙香の翻案 の前の翻案、といふアレンジの歴史を襲ひつつ、どうやってお客さんへこれを見せるかの苦心が語られる。財宝の描写に関し和風にするのへ「なんという後進性!」とか憤慨するのが微妙にむかつくが、はい「天空の城ラピュタ」での財宝は圧巻でしたね、あと「呪われた財宝」と言ふ類型の指摘があったが、まあ「ルパン三世-カリオストロの城」での財宝も呪はれてはゐたか、なによりも宮崎駿 息子ならともかくお父上がオリジナルのないのをアレすると微妙にむかつくが、えー、

 

では、 「風の谷のナウシカ」に登場する王蟲に大変そっくりな、オッファコルス(体長五mm)が紹介される。目ないし「全にして個 個にして全」とか言ふなんとか語でヘンカイパンだったかは不明すぎるし、アレだけど「オファ王の堤」と言ふ意味の名ださうである。あんまり高屋法子御大が苦心のハーモニーで「ずいるずいる」と言ふ感じでの移動はしない筈であるが、顕微鏡で生きてるやつを実際に見ると「マンガ版の どっちかっつうとナウシカアレする方」に見えさう。

リンゴ園の

 

 作者の田舎に関して、なんとなく言はれてみると、人物評が同郷である西原理恵子先生の「富士鷹ジュビ子っ」とかに似てなくもないが、えー、この本によれば澁澤先生は多分脳内に、なんぞの定型なフォーマットが入ってゐて、ローマで食卓と言ふと然るべきローマの喰ひ物がだらだら、微妙に代りながら出ると言ふ。

 

 多分「リンゴ」「日夏耿之介」「長野」とやると、「生まれて初めてリンゴを見て「ああ、きれいだな」と思ったのは長野県飯田市の果樹園で見たときである。」と言ふフォーマットが自動的にUぷされるらしい。この本のリンゴのナニとほぼ同文が確か日夏耿之介評でも出てた。

五行説に都合がいいっつうか

 オドントケリュスの紹介の際、「中国の神話」が紹介される。

 でもオドントケリュスの隣には、ウミガメが載る。オドントケリュスさんは、指を持つ種類さんで、ただ単に肋骨から発達した腹甲を持ってゐるに過ぎない。  でもって、

によれば、腹甲を持つオドントケリスは陸ガメ(次に古いカメさんが、オドントケリスさんの一千万年後の地層で発見され、それはフルアーマード陸ガメさんである)とかの関連性が薄い「特殊部隊説」があるとする。なんか背中までフルアーマード生き物になりさうでないらしい。しかもウミガメの発生の前ン千万年前であり、その辺との関連も薄いらしい。

 介虫(甲羅付いきもの 畑正憲大先生によるとけっこう収斂進化する生き物がゐる)が支那の海で発生した、いやソレが否定されて、 「黒=水=アーマード生物=北」と言ふバイアスの土地だけで出て消えた奴がゐるのは、おおおおお。

 さう言や全然関係ないけど、白川静説では三千年くらゐ前の支那の北方はワニさんが守ってゐたらしいのだが、いろいろあってカメさんにシフトしたらしいのだが、三畳紀のワニさんだったらアーマードなのが結構ゐるから別にいいな。

 

なお

Ninjemys - Wikipedia, the free encyclopedia

によれば ニンジェミス・オーウェニ(忍者タートルズのアレから)

とかいふカメさんもゐるさうである。ガメラもゐるのに。さういや「属名」か、出たらまあ名付けられるわけであるな。他のナニ(オーウェンさんは亀の名前でなくて普通の生物学会の偉人だけど)が。

 シノサウロスファルギスのやうな、「普通の甲羅しょってる生物」シネミス・ガメラと日本から発見された「世界最古のスッポンの化石」などけっこう面白い。

気になるので

鎌 起源はものすごく古いらしい。

  草刈り用の用具だったらしい。

 アイヌの関係では、鎌は「再び生える能力を生命から奪う」物である為、結構特殊なものでしか使はれない。さらに「女の得物」と言ふものである関係で、性差バイアスは普通のデフォに基づき、「穢れたもの=神をも倒せる」といふ。ある種恐ろしいな

 さらには、アイヌの親御さんは、クソガキャの対策として、鎌の刃へ黒い布を巻き、赤い布のカールした奴を付け根へ付けて、窓から「ぐーふ ぐーふ」と言ひながら出し入れしたらしい。このキサラリ(耳お化け)はガォーさんみたいなもの(ブギーマンは「子供をビビらすための教育用の怪物」として一般名詞化してゐるか自信がない)らしいのだが、アイヌのトラウマになってゐたと考へられる。データソースの「アイヌの民具」の著者である萱野茂御大は、同書によると臼(ウェストが括れてゐるので乗りやすい)にまたがってお馬さんごっこをして親に怒られてゐたので、可能性はある。

 サイズがあのサイズになったのは、中世以降。なので鎌を持つものイエス・キリストがでかいカマを持つのは間違ひ。いろいろあって死神も用ゐる。

 支那で一応武器として認められたのは明代以降。適当な武器になるので、もっと前から使はれた可能性はかなりある。

 相手をひっかける、斬る、突き刺すと言ふ用途がある。

 

 ハンガリー ユーゴスラヴィア ルーマニアなどで、「吸血鬼除け」のため、柩へ鎌を入れる、死体の心臓を鎌で刺す、といふ儀礼があった旨がある。