ウェールズ!はアレなところだったらしい
アト・ド・ヴリースによると「一種妖精のような」扱ひを受けたらしいので、 マザーグースで、ウェールズ生まれのインチキ 泥棒タフィ(カムリの一地方が「ダフェド」なのでそこから)は「帽子をピンでとめる」といふ魔術的なことをされるさうである。
解説で「人種差別」としてウェルシュ アイリッシュ蔑視を捉へてゐる。
劇中「宇宙人のヒーローもの」を描くウェールズ人の話がある。劇中の「デビットボビット」「プレデリ」はウェールズゆかりのターム。
で、平賀キートン太一の母親で、英国の一部を背負ってるおばはんがウェールズ出身(p176 ただp166では、そのパトリシアさんと同郷のロドニーが「コーンウォール出身」と描かれる)だと言ふ旨がある。
- マブサントコセン(Mabsant Collen)
ウェルシュなキリスト教徒で、何故かイングランド/非ウェールズの塚にゐる妖精を倒したと言ふ伝承がある。「COLLEN」で「コセン」と読ませるやうなこてこてのウェールズ人である。
- パターン お約束通り
パターンに批判的なことをこいてゐる体裁をとってゐるダイアナ・ウィン・ジョーンズは、魔法の国と直結し、そこと往来する人のゐる処としてのウェールズを描く。この辺パターンに則してゐる
- ちょっと共産主義入ってるものとしての
ソレの映画化をかました人は、ケルトの命と自然と共産主義!立ち上がる民衆!が息づくウェールズにリスペクトし、ウェールズぽい(ウェールズ人のC・W・ニコル御大は、見て「ああ、ウェールズだ」と思ったさうである)ところで、「タフィ」と言ふ親方がゐて、家の中にはケルトとかのナニがありさうなブタがゐるはアジビラが貼ってあるは、な人にお世話になってる人がいろいろする話を描く。
「ラピュタびと」とか「タからジマ」と「から」にアクセントつけた発音とか、正しい方で監督のセンスが光る台詞が。
- ますらを共の野としての
ウェールズの話としてのアーサー王伝承がモチーフになってゐる。
- ご都合主義な「英国」
ジョン・ディーと言ふ トンデモ本界隈では有名な御仁がをって、ソレが「12世紀 カンブリアの王子マドックが、いろいろあって西方浄土へ逃げたところ、「テラフロリダ」といふ地を発見したので、一回帰って一族を率ゐて渡った」と言ふ説を唱へてをったが、後スペインに対抗した英国が、そのカンブリア史を振り回して「アメリカは英国領です!」と言ひ張ったと言ふ。原典の時点で、多分日本人がカムリを無理やり発音すると「マダウク」になるのはゐる筈の語を「マドック」と言ってる「英語訛」がきっつい訳であるが、伝承を調べる人が調べただけ、マドック殿下との末孫は「ブリティッシュ」になってゆく。かう言ふところは同胞になるのである。
土人の傳承を可能な限り日本語へ訳すスタンスでアレした奴